スカタン通信

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Webライティング・47

売れるキャッチコピー ⑤ あるあるネタで共感を誘おう

 

 情報化社会で、たくさんの情報があふれています。 私たちは自分に関係ないことを聞き流す「スルー上手」になっています。 逆に考えると「自分に関係がある(自分ごと)」情報だけが、お客様にキャッチされるのです。 自分ごとと思ってもらうためには「共感」してもらうのが近道。 商品やサービスを売り込むのではなく、共感してもらって、そこから興味をもってもらいましょう。

 

あるある探検隊」に学ぶ「共感」の居心地の良さ

 

日常生活のなかで、誰でも体験したことがあるような「あるあるネタ」。

あるある探検隊あるある探検隊」のリズムに乗せて、次のようなネタを行いブレイクした「レギュラー」というお笑いコンビを知っていますか?

 

  • 高級料理ではらこわす
  • 質問したのに怒られる
  • 夢はあるのに職が無い
  • 遊びの途中でムキになる
  • とにかく叩いて物直す

 

あるあるネタ」は、誰でも一度は体験したことのある共通点。 自分が実際に体験したことがなかったとしても「そういうことって、ありそうだよね」と想像できる範囲であれば「あるある」と共感してもらえます。 何気ない日常の出来事ですが「他の人も同じ体験をして、同じことを感じている」と知ることによって、安心感や居心地の良さを感じます。

このように「共感」は、人の興味、関心を引き、コミュニケーションを育むきっかけになります。 Webサイトには、お客様に共感してもらえるようなキャッチコピーを掲載しておきましょう。

  

「共感できますか?」あるあるネタのキャッチコピーの例

 

あるあるネタで作られたキャッチコピーの例です。 人によって共感できる、共感できないはあると思いますが、思わず共感して、クリックしたくなるようなキャッチコピーを並べてみました。

 

例 1

食事の片づけ、めんどくさい・・・

(トクラス株式会社)

 

主婦が共感しやすいキャッチコピーです。 「そうそう、そうなのよ」と共感した主婦がクリックすると、システムキッチンのWebサイトが表示されます。食後の片づけが楽になる「食器洗い乾燥機付きのシステムキッチン」をみせるような導線が作られています。

 

例 2

亭主元気で留守がいい

大日本除虫菊株式会社)

 

ドキッとするキャッチコピー、皮肉めいたキャチコピーとしてヒットしました。

長年連れ添った夫婦のなかには「亭主といっしょにいる時間が苦痛」と感じる妻もいます。 だからといって「亭主」が病気になっても困ります。 元気で、外で働いて、しっかり稼いでほしいという主婦が「そういう気持ち、あるある」と共感するキャチコピーになっています。

 

例 3 

女子トイレがとっても混雑しているのは、落ちやすい口紅にも責任があるとおもいます

(コーセー)

 

オフィスに勤める女子社員の「あるあるネタ」です。 会社の女子トイレは、昼休みに限らず、いつも混んでいるもの。 なかには、化粧直しのためだけにトイレを利用する人もいるのです。 特に口紅は、飲み物を飲んだり、お菓子を食べたりするだけでも落ちてしまいがち。 「口紅が落ちにくければ、化粧直しの回数も減って、トイレの混雑しなくなるかもしれない」というキャチコピーで、女性たちの共感を誘っています。

 

例 4

はやい、うまい、やすい

吉野家

 

忙しいビジネスパーソンの気持ちを代弁するようなキャッチコピーです。

仕事で忙しいビジネスパーソンは、ゆっくりランチを食べている時間がありません。

「少ないお小遣いしかもっていなくても、おいしいランチが食べたいよね」と考えるビジネスパーソンの共感を得ることをねらったキャチコピーです。

上記の例のように、共感のキャッチコピーを作るときは「誰に共感してほしいのか」を考えることが大事です。 「食事の片づけ、めんどくさい・・・」というキャッチコピーは、学生よりも主婦からの共感が多くなるでしょう。 「はやい、やすい、うまい」は、富裕層の主婦ではなく、男性会社員の共感を得やすいのです。

 

共感マップを使って、共感キャッチコピーを作ろう

 

あるあるネタのキャッチコピーを作るためには、お客様がどんなことに共感するのかを知らなければ作れません。 共感マップというツールを使ってみましょう。

次ぺージに掲載した中央のイラストのところに、お客様のイメージを想定します。

そのお客様がどんな思考をしているのかを考えていきます。

例えば、英会話スクールのキャッチコピーを考えるときに、次のページのような共感マップを描いてみました。 中央には、ターゲットとなる入社2年目のビジネスパーソン。 以下の視点で、お客様の心を探っていきます。

 

● 共感マップの視点

 

  • 何を見ているか
  • 何を聞いているのか
  • 何を考え、何を感じているのか
  • 何を言って、どんな行動をしているのか
  • 顧客の痛みとは何か
  • 顧客の得られるものは何か

 

● 「共感マップ」の作成例

 

何を考え、何を感じているのか?

 

  • 海外出張がある会社に入社して2年そろそろ海外出張に行きたい
  • 英語がペラペラになりたい
  • 同じ部署に英語ができる後輩が入ってきた、焦る
  • 学生のころ、もっと勉強しておけばよかった

 

何を見ているのか?

 

  • 英語ができるカッコイイ同僚たち
  • 海外で活躍するビジネスパーソンの姿
  • 最寄り駅にある英会話教室
  • 海外で英語が学べるというWebサイト
  • 書店に並ぶ英会話の本

 

何を聞いているのか?

 

  • 「英語がしゃべれるのって、カッコイイ」
  • 「英語くらいできないと、社会人としてダメじゃない?」
  • 外国の音楽を聞いている
  • Podcastで英会話を聞いている
  • 海外出張、海外赴任の楽しさ、やりがいについて上司や同僚から話を聞いている

 

何を言って、どんな行動をしているのか?

 

  • 「英会話、できるようになりたい」
  • 「英会話は苦手だったけど、がんばるぞ」
  • 短時間で英会話が上達する方法を探している

 

痛みを与えるもの

 

  • 聞き取れない英語で、外国人に話しかけられること
  • 社内の英語重視の風潮
  • 英単語がなかなか覚えられない

 

得られるもの

 

  • 少しずつではあるが、英語がわかるようになってきた
  • 字幕をみなくても、外国映画がみられるようになってきた
  • 外国人の友だちができた

お客様の内面を具体的にイメージできると、以下のようなコピーが浮かびます。

 

例 共感マップをもとに作成したコピー

 

  • 英語ができる「カッコイイ」男になりたい!
  • 英語ができる後輩の存在に、ひやひゃしていませんか?
  • 英単語が覚えられなくても大丈夫!しゃべって上達、聞いて上達する英会話スクール
  • 中学のころ、もっと英語と勉強しておけばよかった・・・とお嘆きのあなたへ

 

これらのキャッチコピーは、すべて「共感マップ」に書かれた言葉をもとに作ったキャッチコピーです。 逆にいうと、共感マップを描かなければ、これらのキャッチコピーをつくるのは難しかったと言えます。 

お客様を具体的にイメージすることによって、お客様がどんなことに共感するのかが見えてきます。

 

ノスタルジーと郷愁で「あるある」を狙おう

 

初めて出会った人と仲良くなるときに、子どものころに流行った遊びや歌、好きだった歌手や映画などの共通点を見つけることはありませんか? 私たちは、過ぎ去った過去を懐かしく思い出す気持ちを持っています。 昔話で盛り上がって気持ちが和み、ほっとする瞬間があるものです。

私の世代で言うと、ベーゴマ、石けり、竹馬、缶蹴り、竹とんぼ、ビー玉、メンコなどが子どものころに流行った遊びです。 「昭和生まれ」というだけでも、親しみを感じます。

テレビ番組の「秘密のケンミンSHOW」が長寿番組になりつつあります。 故郷の「あるあるネタ」を語り合う番組が多くの人の支持を得ていることからも、「故郷を思いやるキャッチコピーが心に響くのでは?」ということがわかります。

 

例 郷愁を誘うコピーの例

Ⓐ 丸いちゃぶ台の前で待っていた。母さんが作る味噌汁の味

Ⓑ 10円にぎりしめて駄菓子屋さんに行くようなワクワク感を再び

Ⓒ キン消しを夢中で集めていた当時の男子に!

 

Ⓐのキャッチコピーは、昭和初期のころを思い出させるキャッチコピーです。

昭和初期のころは、丸いテーブルを食卓として利用する家族が多くありました。

母親が作る味噌汁の味を思いだし、家族そろって食事をするシーンを思い出し、

共感を誘います。

 

Ⓑのキャッチコピーは、ワクワク感を共感させるために作ったものです。

1個1円、3円、5円などで駄菓子が買えた時代。 10円もっていれば、複数のお菓子が買えました。

ゲームセンターなどもなかった時代。10円握りしめて駄菓子屋さんに走っていったときのワクワク感を思い出させる人にとって、このキャッチコピーは「すごく楽しみで、興奮するようなワクワク感」として伝わります。

 

Ⓒに出てくる「キン消しキン肉マン消しゴム)」は、1980年代に流行ったグッズです。 消しゴムとして使うのではなく、いろいろな種類のキン肉マンのキャラクターを集めて遊ぶのが流行りました。「キン消しを夢中だ集めていた当時の男子に!」と呼びかけたら「はい」と多くの男性を振り向かせることにできるキャッチコピーです。

 

誰に共感させたいかをピンポイントで決めて、共感させよう

 

共感のキャッチコピーを作る際は「誰に共感させたいか」を考えることが大事せす。

「誰に共感させたいか」が決まれば、その人が「何を考えているか」「どんなことに興味があるか」「どんな言葉に反応しやすいか」が具体的になってきます。 情報がスルーされやすい時代です。 「自分に関係があることだ=自分ごと」と思ってもらうために、共感のキャッチコピーを作りましょう。 「誰にでも響くように」と万人受けを狙うのはNGです。 誰かひとりをピンポイントで狙って、その人になんと言ったら「共感してもらえるか」と考えましょう。

 

総括

  1. 日常生活のちょっとした出来事を「あるあるネタ」にして、共感されるキャッチコピーを作ろう
  2. 共感マップで、お客様の関心事を具体的に探ろう
  3. 共感してもらうためには「誰に共感してほしいのか」を決めることが大事
  4. ノスタルジーと郷愁で共感を誘おう

 

引用「Webライティング 売れる書き方の成功法則64 ふくだ たみこ」

 

今日はここまでです。

 

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今回の章の文字数4,200、疲れたー‼

 

 

 

 

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