Webライティング・58
エモーショナルライティング①
AIDCASの法則で書く
エモーショナルライティングの文章展開方法のひとつめは、AIDCAS(アイドカス)
の法則です。 人がものを購入するときの心理を分析し、その心理に沿った文章展開を行うという考え方です。 商品ページ、サービス紹介ページなど、お客様に「行動」を起こさせることを目的とするページのライティングに適しています。
AIDCASの法則を自分の購入体験から考えてみよう
みなさんは日ごろ、商品を購入するまでの過程において、どんな気持ちの変化を感じますか? 「分析したことがある」という方は少ないかと思いますが、一緒に考えてみましょう。
まず、気になる商品が目に飛び込んでくると「何だろう?これ」と感じて、手に取ったり、顔を近づけてじっくり見たりという行動を起こすと思います。 たくさんある商品のなかから、ひとつの商品に「注目」するところから、私たちの気持ちの変化がはじまります。
これがAIDCASの法則のなかの最初のステップ「Attention」(注目)になります。
商品の詳細をみてみると「ほう~こんな作りになっているのか」「こんな機能があるのね」と、より深く興味をもつようになります。これがAIDCASの法則のふたつめのステップ「Interest」(興味)で、気持ちに変化が生じてきます。
さらに詳しく知っていくと、気持ちはだんだん、「Desire」(欲求)に変化します。
「どうしようかな? 買おうかな? 後にしたほうがいいかな?」と迷い、考えて抜いた結果「よし! 買おう」「いま、買わなきゃ」と確信(Conviction)して、いざ行動(Action)に移ります。お客様が「買って満足(Satisfaction)」という感情をもつことができれば、この購入体験は売り手にとっても書いて(お客様)にとっても、成功ということになります。
AIDCASの法則のテンプレート
人が商品を購入するときに、AIDCASの法則のとおりに気持ちが変化するのであれば、その気持ちを狙ってWebサイトに文章を展開しておくのが賢明です。
WEBライティングに落とし込むと、以下の図のようになります。 満足(Satisfaction)は購入後の感情なので、省略しておきます。
Webサイトの冒頭には、お客様が注目(Action)してスクロールをはじめたくなるようなキャッチコピーが不可欠です。 お客様の気持ちをつかまえるためには、売り手の視点で作ったキャッチコピーではなく、お客様の視点で作ったキャッチコピーが適しています。
このテンプレートに成功法則57で紹介した掃除機の例「ぐいぐい私を引っ張ってくれる がんばらないお掃除で快適な休日」というコピーを入れてみましょう。
AIDCASの法則の冒頭のキャッチコピーは、プラスのコピーを入れると全体を構成しやすくなります。
❢ 「ほんとうに、そうなの?」を解決するための「理由」コーナー
冒頭のキャッチコピーに心をつかまれたお客様は「あ、私のための商品かもしれない」「私をハッピーにしてくれる商品かもしれない」と感じた後に「ほんとうに、そうなの?」という気持ちでスクロールをはじめます。
お客様の「ほんとうに?」にこたえるために「ほんとうにそうだよ。だって・・・・」
という理由を次のコーナーに書いていきましょう。
理由は「3つの理由」「7つの理由」などとまとめていくと、書きやすいです。
冒頭に書いたキャッチコピーの理由や根拠を並べていきます。 例えば、以下のような理由を並べます。
例1 理由の例
- 自動運転機能が付いているので、掃除機が自分でゴミを探して動いてくれます。重さ負担ゼロ(本体1キロ)の軽さが快適!
- 場所をとらないスリム設計。「わざわざ掃除機を出す」という心理負担が軽減されます。 ティッシュをさっと取り出すような気軽な感覚で、掃除機に手が伸びるようになります。
- 2年の開発期間を経て改良を重ねたホコリ除去機能によって、お掃除時間が今までの2分の1に短縮(実験データあり)。快適な休日をお約束します。
この理由を読んでいくうちに、お客様は「なるほど。この掃除機を買うと、頑張らないお掃除、快適な休日がほんとうに実現できそうだ」と感じ、注目→興味→欲求という順番に気持ちが変化していきます。
なお、Conviction(確信)とAction(行動)についてな成功法則60を参照してください。
● AIDCASの法則をWebサイトに展開
総括
- お客様に行動させたいページ(商品ページ、サービス紹介ページ)は、エモーショナルライティングで書こう
-
冒頭にプラスのキャッチコピーを書く「AIDCASの法則」で商品ページを書いてみよう
- 冒頭のキャッチコピーの理由、根拠を「3つの理由」として整理しよう
引用 「WEBライティング 売れる書き方の成功法則64」 ふくだたみこ