スカタン通信

日々是々

Webライティング・54

売れるキャッチコピー ⑫

好奇心をくすぐろう

 

人間は知らないことや判らないものに対して、「もっと知りたい。わかるようになりたい」という欲求をもっています。 人類が進化し、生活スタイルが改善されているのも、人間の好奇心によるものです。 好奇心を刺激することによって、引き付ける力の強いキャッチコピーをつくることができます。

 

好奇心が強くなるのはどんなとき?

 

次の3つの文を読んでみてください。 どれにいちばん興味をもちますか?

 

Ⓐ「シュタルク」と「ゼーマン」の考え方の違い

Ⓑ「足し算」と「引き算」の違い

Ⓒ「ジャズ」と「オペラ」の歌い方の違い

 

多くの人がⒸ「ジャズ」と「オペラ」の歌い方の違い にいちばん興味をもつのではないでしょうか?

人間は「すでに知っている情報」には興味がなく「まったく知らない情報」にも興味をもちにくいのです。 「少し知っていて、もう少し知りたい」というときに、好奇心が刺激されます。

 

「シュタルク」と「ゼーマン」の考え方の違い

 

シュタルクとゼーマンは、それぞれ物理学者の名前です。 「シュタルク」も聞いたことがないし「ゼーマン」のきいたことがない。このような状態では、興味のもちようがありません。

 

「足し算」と「引き算」の違い

 

「足し算」も知っている。「引き算」も知っている。「足し算」と「引き算」の違いについても把握していると思えば、好奇心は刺激されません。

 

「ジャズ」と「オペラ」の歌い方の違い

 

「ジャズ」はなんとなく知っている。「オペラ」もなんとなく知っている。 でも「ジャズとオペラの歌い方の違いは?」と聞かれると明確に答えられない。「知っていることと知らないことが重なり合っている状態」のときに、好奇心が最も刺激されるのです。

 

● 知っていることと知らないことが、一部分重なっている

  

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好奇心をくすぐるキャッチコピー

 

キュレーションサービス「NAVERまとめ」には、たくさんの「まとめ記事」がアップされています。アクセス数が多い「まとめ記事」には、閲覧数に応じて報酬が支払われという仕組みもあるため、投稿者はクリックされるタイトルを作ることに必死です。

 

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❢ 「NAVERまとめ」のコピーの例

 

NAVERまとめ」には「少し知っていて、もう少し詳しく知りたい」という好奇心をくすぐるキャッチコピーがたくさん作られています。

 

例1 「NAVERまとめ」のコピーの例

 

成功者たちが地味にやってきた『紙に書く』大切さ

 

好奇心は、知っていることと知らないことが重なり合っているときに生まれます。

「紙に書く」ことの大切さは知っているが、「成功のやり方」や「地味なやり方」については知らない。 このバランスのときに、好奇心が芽生えます。

 

「紙に書く大切さ」を教えます

 

などと書くと、多くの人は「紙に書いて忘れないようにするためでしょ。知っていることだ」と認識して興味がわきません。

 

例2 「NAVERまとめ」のコピーの例

 

社長が語る、麻雀とビジネスの共通点がおもしろい

 

麻雀ってどんなものか知っている。 ビジネスの概念も解かる。でも、麻雀とビジネスの共通点はわからない。知っていることと、知らないこと(もっと知りたいこと)が組み合わさっているキャッチコピーは、読む人の心を引き付けます。

好奇心が刺激され「麻雀とビジネスの共通点」を知りたいと思うのです。

 

例3 「NAVERまとめ」のコピーの例

 

ルール違反してるかも⁉ 自転車走行でやってはいけない6つのNG・・・・

 

私たちは「自転車走行ルールはある程度、わかっているつもり」という感覚の人が多いのではないでしょうか? しっているつもりだったけれども「6つのNG」といわれると、「自分がすべてのルールを理解しているかどうか不安」と感じ、知らないところを知りたい、6個全部知っておきたいという気持ちが芽生えます。「知りたい」という好奇心を刺激するキャッチコピーになっています。

 

例4 「NAVERまとめ」のコピーの例

 

魚をまるごとキレイに食べる方法

 

私たちは魚の食べ方を知っていますが「まるごとキレイに食べる」方法はどうでしょう? 日ごろから「魚をもっときれいに食べられるようになったらいいな~」と思っている人は多いと思います。 「魚の食べ方」という知っていることと「まるごとキレイに食べる方法」という知らないことを組み合わせたことによって、好奇心を刺激しています。

 

❢ 教えるキャッチコピーで知的好奇心をくすぐろう

 

好奇心(特に知的好奇心)をくすぐるためには、何か新しいノウハウ、効率的なやり方、スピーディーな進め方などを「教える」タイプのキャッチコピーが作りやすいです。次の言葉を使って、キャッチコピーを作ってみましょう。

 

ノウハウ/~の法則/~のポイント/~の◯◯術/~のコツ/~の考え方/~の手順/~のステップ/~マニュアル

 

例5 「教える」タイプのキャッチコピー

 

  • 「飲むだけでキレイになれる」緑茶を入れる3つのポイント
  • 夏が似合う男になるための、ボーダー柄Tシャツの着こなし術
  • 勝ち投手だけがやっていた、マウンドに上がるまでの5つのステップ

 

上記のキャッチコピーはすべて「教える」タイプのキャッチコピーの例です。

いろいろなノウハウを教えています。「教える」タイプのキャッチコピーは、お客様の「もっと知りたい」「もっと学びたい」という知的好奇心を刺激します。

 

知っていることと知らないことの重なりを見つけよう

 

好奇心が最も刺激されるのは「知っていること」があり、さらに「その先を知りたい」ときです。足し算を知って、引き算に興味をもち、引き算を理解してから「掛け算、割り算も知りたい」と好奇心がふくらんでくるのです。「お客様が知っていること」の少し先を見せてあげるようなキャッチコピーを作りましょう。

 

総括

  1. 好奇心がもっとも刺激される状態を理解しよう
  2. お客様が「知っていること」と「知らないこと」を組み合わせよう
  3. 新しいノウハウ、効率的なやり方、スピーディーな進め方などを「教える」タイプのキャッチコピーを作ろう

 

今日はここまでです。

 

引用 「WEBライティング 売れる書き方の成功法則64」 ふくだたみこ

 

 

 

 

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